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武術太極拳とは? 太極拳とカンフー、散打について

公開日: : 最終更新日:2019/07/03 武道紹介

 

 

有名な少林寺を始めとする中国の武術は、中国武術と言う言い方が分かりやすく、正しいとも思いますが、余り認知されていない言葉です。

 

映画の影響で、カンフーという言い方の方が伝わる場合もあります。

 

もともとは中国南部で功夫(ゴンフー/グンフー)という言葉が武術の代名詞として使われていて、海外に渡った華僑にり、その言葉が伝わり、カンフーという発音になったと言われています。

 

また特に日本ではそうなのですが、その中の一つの太極拳が健康体操として多くの愛好者を増やして普及しています。

 

今回はその中国武術について簡単に説明したいと思います。

 

【目次】

1、太極拳から始まった中国武術

2、国際用語はウーシュー、国内では武術太極拳

3、武術太極拳は太極拳偏重、散打軽視

 

 

1、太極拳から始まった中国武術

以前の日本では中国武術に関しての情報がなく、未知の神秘の世界でした。

 

そのような背景から日本の少林寺拳法も生まれたと思われます。

 

最初に広まったのは太極拳ですが、それは楊名時によって普及しました。

 

楊名時は幼少より様々な中国武術に親しみ、後に留学生として日本に来ました。

日本でも柔道、空手を本格的に学び、日本空手協会で五段をとったと言います。

 

中国では太極拳を健康法として注目し、1956年に李天驥が制定した誰もが覚えやすい簡化24式が発表され普及しました。

すでに日本に居た楊名時は中国の友人からその24式の掛図を送られ、私流に太極拳をしていました。

それにより楊名時は空手着を着て行う独自の24式の太極拳を行うようになります。

 

1965年に空手協会の中山正敏の要請により、日本武道館の鏡開き式で楊名時が太極拳を披露した事で一気に注目され、楊名時式の太極拳を普及させる事になりました。

 

当時、太極拳を教えられる人は他にいなかったため、日本国内ではこの楊名時式の24式が広く普及し、今でも大きな組織を持っています。

 

 

ですが、後に徐々に他の中国の先生も来日され、また中国に学びに行く日本人も増え、

徐々に日本でもその他の太極拳を始めとする中国武術が普及してきます。

 

 

 

 

2、国際用語はウーシュー、国内では武術太極拳

1982年の映画「少林寺」の大ヒットにより、日本でも中国武術の愛好者が増えました。

 

福昌堂では「武術(ウーシュー)」、ベースボールマガジン社では「中国武術」という雑誌が発刊され、中国武術に関する情報も増えました。

 

太極拳のみならず、長拳、南拳、器械等、様々な武術が行われるようになりました。

 

日本でも太極拳、その他の武術の套路(形)の競技会が行われるようになり、

日本武術太極拳連盟という組織が出来ます。

 

中国では武術(ウーシュー)と呼ばれており、国際的にもウーシューが用語となっていますが、日本では大部分の愛好者が太極拳によるものであり、武術太極拳と呼ばれるようになります。

 

 

韓国のテコンドーも以前は日本式に跆拳道(たいけんどう)と呼ばれた事もありましたが、後に国際語としてのテコンドーが定着しました。

 

しかし日本では太極拳の権力が強すぎるのか、ウーシューという用語が定着する様子はなく、武術太極拳という独自の用語のままでいます。

 

 

その後、このウーシューの競技が世界に広まるにつれて、中国はこの競技のオリンピック種目入りを目指すようになります。

 

1990年には北京アジア大会の種目に採用され、後に散打という実戦競技も加わり、

2008年の北京オリンピックに臨みましたが、惜しくも落選。

 

しかし北京オリンピックの期間内に、同じオリンピック競技の施設を使った

「北京武術トーナメント」を開催し、オリンピックの競技と見せかけようとする一幕もありました(-_-;)

 

 

 

3、武術太極拳は太極拳偏重、散打軽視

 

現在の競技は套路(空手でいう形)と、散打(空手でいう組手)があります。

→参考記事: オリンピックで注目される空手!!  伝統派空手

 

 

套路競技は太極拳(剣を含む)、長拳(刀、剣、棍、槍を含む)、南拳(刀、棍を

含む)の種目に整理されています。

 

套路は北京オリンピックの前あたりから、音楽に合わせて大袈裟な動きをするようになり、難度の高い技に高得点を与える等、新体操的なルールに変わっていきました。

 

太極拳もアクロバット的な物になり、日本の太極拳の関係者も戸惑ったといいます。

 

 

散打は本来の中国武術というよりもムエタイの影響が強いのですが、グローブをはめて闘う競技であり、独自の横蹴りが発達しています。

そして投げもあり、おそらく太極拳の推手の影響により、場外に出たら減点、両足裏以外の身体の部位が地に着いたら減点、という相撲に近い要素もあります。

 

中国では国が推し進めているので競技人口が多く、短期間ながらもレベルが大幅に向上し、プロ選手の興業もあり、他の格闘技との異種格闘技戦のようなイベントも行われたりしています。

ムエタイのチャンピオンを倒すくらい、そのレベルは非常に高いです。

 

その中国の散打の選手が日本のK-1、シュートボクシングの興業に出た事もありますが、

その試合に負ける姿を見て「中国の散打って弱い」等と簡単に言い、無関心でいる日本人がいますが、そういう次元の話ではないと思います。

 

アウェイで違うルールの試合で来ているので、もともと中国の選手にとっては不利です。

それを言うなら、日本人が中国の試合に出て勝ってから言わなければなりませんね。

 

(実際には何人もの日本の空手家、キックボクサーが中国の試合に出ては、ほとんど負けているのが実情です)

 

 

日本の武術太極拳連盟は套路競技、特に太極拳を重視していますが、散打に関しては否定的で関わりを持とうとしません。

 

私は台湾で武術を学んでいた時期があり、よく台湾人から

「何故、日本は套路だけに出て、散打に出て来ないんだ!?

と、挑発的に言われた事がありました。

 

後に東京散手倶楽部が武術太極拳連盟に加盟し、友好団体である空道の大道塾と共に、選手を国際大会に出場させていた時期もありましたが、武術太極拳連盟は散打に関しては全く支持しない様子で、現在は活動させていません。

 

ある先生は、

「彼らは左翼のインテリの連中だから、殴り合いなんかは嫌いなわけさー」

と言っていましたが、これが実情なのでしょう…。

 

 

このウーシューという競技に関わるならば、他の国同様、

どの種目も分け隔てなく、接するべきなのではないか、と思うばかりですね。

 

 

 

 

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    武道と旅と昼寝が好きな怠け者。

    今は武道もほとんど見るだけ。

    忍びながらブログを書いております。

    一応、元空手五段、合気道三段、空道二段、柔道初段、スポーツチャンバラ四段

    武術太極拳 アジア選手権・世界選手権 日本代表

     

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