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空手とスポーツチャンバラを両立する方法は?

公開日: : 最終更新日:2019/05/04 実戦護身論

 

スポーツチャンバラは護身術から発展したスポーツなので、一部には護身術を強く意識している人もいます。

そういう人はスポーツチャンバラによる武器術だけでなく、徒手の格闘技も並行していこうという発想の人もいます。

 

「武器は素手の延長」という言葉がありますが、それは柔道・レスリングのような組み技ではなく、空手・ボクシングのような打撃系格闘技の場合ですね。

 

私は空手もスポーツチャンバラも経験してきましたので、自分なりの経験で感じた空手とスポーツチャンバラの両立の方法について書いてみたいと思います。

 

【目次】

1、様々な空手の中で、何がスポーツチャンバラと両立しやすいか?

2、右、左、構えはどちらに合わせる?

3.2つの相違点について切り替えが出来るようにする。

 

 

 

1、様々な空手の中で、何がスポーツチャンバラと両立しやすいか?

空手を始めとする打撃系格闘技にはいろいろな種類があります。

伝統派空手、フルコンタクト空手、グローブ空手、ボクシング、キックボクシング、テコンドー…

 

その中で、スポーツチャンバラに繋げやすい技術は、伝統派空手、防具付き空手等のポイントルールによる空手です。

 

防具付き空手や寸止めルールは、もともと剣道のルールを参考に作られたために、武器系競技と共通点が多いのです。

 

技術はルールに合わせて変わっていくので、類似ルールであれば、技術も似てきます。

 

剣道は防具と竹刀を使用して、クリーンヒットしたら一本を取ります。

これは真剣を使った場合に有効であるかと判断するのです。

 

もちろん本当に真剣で勝負するわけにはいかないので、安全具を利用して、真剣だったら相手が絶命しているか、という観点で判定するのです。

 

ただこれを素手の空手に置き換えると、少し矛盾も出てきます。

 

なぜなら素手はいくら鍛えても、武器には成り得ないからです。

例え固定された板が割れても、動く人間は別物です。

→参考記事:格闘技の錯覚? 攻撃力と攻防技術の違いは?

 

なので、武器術のルールをそのまま素手の競技に置き換える事に若干の無理があるので、後により現実性を求めて、別のルールが生まれる事になります。

 

それがフルコンタクト(直接打撃)によるノックダウンルールです。

 

よく空手を当てるか、当てないかで区別する人がいますが、その本質はポイントルールでするか、ノックダウンルールでするかです。

 

つまりポイントルールでは、綺麗に技が決まったら、相手がダウンするかどうかは別としてポイントを与えて勝負を決めます。

 

しかしノックダウンルールでは、いくら技が綺麗に入っても相手に効いていなければポイントになりません。

相手がダウンしてやっと一本、或いはそれに準ずる技ありのポイントがもらえるのです。

 

武器での勝負は真剣を使うわけにはいかないので、竹刀を使った仮性打撃によるポイントルールにならざるを得ないのですが、素手の打撃では真正打撃のノックダウンルールが可能になるのです。

そのため、ノックダウンルールでは一発ではなく、相手が倒れるまで連打を繰り返すというスタイルに変わります。

ですので、空手界ではフルコンタクト空手の方が実戦的だと、長らく支持されてきました。

 

 

ただ最近の総合格闘技ブームにより、伝統派空手出身で活躍する選手も出てきているので、最近はそうでもないと思います。

 

フルコンタクト空手では、掴みや投げ、一切の組み技を認めないので、接近して殴り合う不自然なスタイルになってきているからです。

なんでも有りの総合格闘技では、あれだけ接近すれば掴まれて倒されたりする物です。

組み技を禁じたルールでないと、あれだけの打撃の応酬が続く事は有り得ないからです。

 

むしろポイントルールの長距離の打撃の方が、総合格闘技でも向いていたりする物です。

 

 

 

 

2、右、左、構えはどちらに合わせる?

武器術と徒手の技術を両立させるためには、なるべく双方の技術を同様に近づけていく事なのですが、先ずは構えの向きの問題があります。

 

右利きの場合ですと、空手やボクシングの場合は利き腕の右手を後ろに、左手を前にする構えがオーソドックスになります。

左利きのサウスポーはその逆です。

 

しかし剣道、フェンシング、スポーツチャンバラの主要種目である小太刀、長剣では、利き腕の右手、右足を前に出す構えになります。

(槍は逆になります)

 

素手の空手、ボクシングでは、腰の回転を使った距離を保って打つ打ち方の方が威力が出るからです。

しかし武器術では、その必要はないので、相手に早く技が当てられるように、武器を持つ手、利き腕を前に出すのです。

 

この左右の構えの変化は実は、非常に難しく、普段、左手足前の構えに慣れている人が右手足前の構えになると、なかなか技が出しづらくなるのです。

 

但し、もともと両手足を使う空手では、比較的左右の構えの切り替えは容易です。

右利きサウスポー(コンバーテッドサウスポー)の選手もいるくらいです。

 

しかし、片手打ちをするスポーツチャンバラが右、左の変更は非常に難しく、なかなか出来る事ではありません。

右手打ちで熟練していても、突然左持ちに替えたら、同様の動きは出来なくなります。

 

ちなみに柔道等の組み技格闘技は利き腕を前にする構えが主流なので、組み技出身の総合格闘家は、利き腕を前にする事があります。

 

そういう意味でも、複数の格闘技の両立を考えたら、構えは利き腕を前にする方がいいのではないかと思います。

 

私も長い事、空手をしてからスポーツチャンバラを始めたので、構えの切り替えには苦労しました。

 

それで改めてブルース・リーのスタイルを見ると、まさにそうなんですね。

「死亡的遊戯 G.O.D2000」を見たときは、ブルース・リーが竹の棒を使ってスポーツチャンバラのような動きをするのです!

そして徒手の格闘スタイルも右利きサウスポーでリードパンチ(順突き)を主体とした闘い方。

ブルース・リーは武器術でも使える格闘スタイルを持っていたのです。

 

 

 

3.2つの相違点について切り替えが出来るようにする。

そして私個人の感覚では、基本的には武器術もポイントルールの空手も共通点が多いと思いますが、2つの点が決定的に違うと思いました。

 

それは、武器の数手首の使い方です。

 

 

先ず武器の数についてですが、徒手で闘う空手は、両手、両足の4本の武器を組み合わせて複雑なコンビネーションを行います。

そのため、技の変化も数多く生まれます。

 

しかし武器を使う競技では、シンプルに1本だけの武器となります。

(二刀もありますが、小太刀は主に防御専門です)

 

威力が認められポイントが取れるのは、その武器一本だけになりますし、武器のリーチが突出して長いので、その武器一本だけの攻撃になります。

 

そのため複雑な技の要素が減り、細かい心理的な駆け引きや、タイミングの読み方がより重要となります。

 

ですので、空手も刻み突き(順突き)主体の闘いにすれば、スポーツチャンバラの技術が活かせます。

 

 

続いては手首の使い方です。

 

空手やボクシングでは手首を固定して真っ直ぐに打たないと強いパンチが打てませんが、武器を扱う場合は、手首の返し(スナップとかコックとか呼ばれる)が機敏に出来ないと、武器が振れません。

 

この違いも大きく、長らく空手をやっていた私がスポーツチャンバラで特に苦労した部分でもあります。

 

みんなは手首を機敏に返して武器を振っているのに、私は手首がなかなか動かず、思うように振れない悔しさから、しばらく手首のスナップを効かせるような練習だけをしていた事もありました。

 

 

 

しかし、以上の共通点と相違点を最初から理解して始めれば、空手とスポーツチャンバラは両立する事が可能ではないかと思います。

 

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    武道と旅と昼寝が好きな怠け者。

    今は武道もほとんど見るだけ。

    忍びながらブログを書いております。

    一応、元空手五段、合気道三段、空道二段、柔道初段、スポーツチャンバラ四段

    武術太極拳 アジア選手権・世界選手権 日本代表

     

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